広島ガンバ・コンソート 第4回演奏会
コンソートの愉しみ
イギリス・エリザベス朝のヴィオラ・ダ・ガンバ・コンソートのレパートリーを中心に…
2007年11月11日(日)15:00~17:00
不動院 金堂

国宝・金堂(今回の演奏会会場です)
受付の様子

~~~序文~~~
時空を超えたコラボレーション

本日は「広島ガンバ・コンソート」演奏会にご来場頂き、厚く御礼申し上げます。

1999年にヴィオラ・ダ・ガンバに惹かれた仲間が集まり、グループが出来てアッと言う間に8年が経過しました。プログラムタイトルにはコンサートシリーズVol.4と書かれていますが、過去のコンサートは、他の古楽器や声楽アンサンブルの方々とご一緒させていただいたもので、私どもだけでのコンサートをぜひという声が上がり、本日を迎えることになりました。

ヴィオラ・ダ・ガンバは、ヨーロッパでルネッサンス時代からバロック時代にかけて、その繊細な音色とファミリー・アンサンブルに最適な楽器として主流を占めていた弦楽器でしたが、その性格上、古典派の時代以降は忘れ去られていました。19世紀末、古い時代の音楽を見直そうという動きが始まり20世紀に入って、ヴィオラ・ダ・ガンバの愛好家が徐々に増えて、第二次大戦後には英国・米国に、1973年には日本にも愛好家による組織が出来、コンソートを楽しんだり、演奏会を開催するグループが世界各地で生まれています。

コンソート(CONSORT)とは古い英語で「仲間」とか「調和」という意味を示す言葉です。私たちは、ヴィオラ・ダ・ガンバの「調和」を楽しむために集まった「仲間」ではありますが、8年前には楽器や弓の持ち方という演奏方法の基礎知識もなく、楽器すら充足していないという状況でした。山口でガンバ奏者として活躍されている河本基實さんをお訪ねし、ご指導をお願いしましたところ快くご了解を頂き、爾来、月に1度の誠に辛抱強いご指導により、ようやく今日を迎えることが出来ましたこと、メンバー一同、深く感謝いたしております。

現在の参加メンバー7名の中には、はるばる東京から、また岡山、竹原等、遠隔地からの参加もあり、職業も多種多様ですが、全員ヴィオラ・ダ・ガンバの音色に魅せられた仲間です。まだまだ技術的にも音楽的にも未熟ではありますが、広島で唯一のガンバによるアンサンブルグループとして、今後もコンソートを楽しみたいと思っています。皆様のご指導・ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

最後になりますが、この演奏会開催にあたって、私どもの演奏する曲目がかつて演奏されていた時代に、当地に建立された金堂を使用させて頂く事をご了解頂きました不動院様に厚く御礼を申し上げます。

(プログラムより:ANTIQUAさんによるご挨拶)


不動院敷地内のお堂

プログラム

  • -イギリスのコンソート曲(6声)-
    ・ジョバンニ・コペラリオ (1575 - 1626) / ファンタジア
    ・ジョン・ウォード (1571 - 1638) / ファンタジア
  • -イギリスの舞曲(5声)-
    ・アントニー・ホルボーン(1545頃 - 1602)
     1)パヴァーヌ 葬列 2)ガリアルド すてきな休日 
     3)アルメイン 愛の果実
  • -フランスのヴィオール曲-
    ・マラン・マレ(1656 - 1728)/
     ヴィオール曲集第3巻組曲ト短調より サラバンド
    ・ジョゼフ・ボダン・ド・ボワモルティエ(1689 - 1755 )/
      2つのヴィオールのためのソナタ第1番ホ短調より
     1)おごそかに 2)ロンド 優美に
    ・マラン・マレ(1656 - 1728)/ヴィオール曲集第5巻組曲ト長調より
     1)対話 2)シャコンヌ
  • -イギリスのコンソート曲(3声)-
    ・オーランド・ギボンズ(1583 - 1625) / ファンタジア
    ・ジョン・ジェンキンズ(1592 - 1678) / パヴァーヌ
  • -フランスのシャンソンをヴィオール・コンソートで(4声)-
    ・クレマン・ジャヌカン(1485 -1558)/
     1)恋の苦しみ、 2)愛と死と生と、 3)恋の手習い
  • -ドイツの舞曲でフィナーレ-
    ・ミヒャエル・プレトリウス (1571頃 - 1621) /
     テルプシコーレより コルネット(角笛)のためのパッサメッツオ

5声ホルボーン
3声のコンソート
デュオとソロ
開始前のチューニング
6声プレトリウス

不動院演奏会 反省点

準備関係
  • 会場・時期のセットが早くできて、準備ができた。
  • 選曲も絞られたので、集中的に取り組めた。
  • 合宿があって、集中的にできた。(時期。場所も申し分なかった)(ANTIQUAさんに感謝)
  • チラシ、プログラム、アンケートが立派でよかった(ぽん吉さんに感謝)

当日の運営・会場など
良かった点
  • 場所が雰囲気を盛り上げた・聴衆も増えた。(不動院を選んだ方に感謝)
  • 演奏時間もちょうど良かった。
  • 各ステージの入れ替えもスムーズだった。(アンティカメンバーお2人のお手伝いに感謝)
  • 受付もスムースだった。(ANTIQUAさんの奥様に感謝)
  • やっぱり、クリップライトがあってよかった。お客様が気にならなかったのも、暗さのせい?私の座る位置のせい?

悪かった点
  • 曲の説明があった方が良かった。
  • 西日がとても眩しくて(正面の欄間から差し込む)、演奏しづらいときがあった。
  • 寒かった。(仕方ないか?)
  • 音響的にお互いの音が聴きづらかった。
  • 事前にステージごとの譜面台の場所とか椅子の数とかを書き込める表みたいなの(よくステマネの人がもってうろうろしてるやつ)をつくって図で確認できるようにしておけばよかったと思う。そして床に譜面台や椅子のしるしをつければよかったですね。それを舞台袖とか裏とかに貼っておくのもよいですよね。せっかくリハでここがいいとか決めたのに本番では結局うろうろしてしまったのはわたしだけ?
  • みんなでの記念撮影を忘れました!残念~。当日分も綿密なタイムスケジュールを作っておけばよかったなと。集合からうちあげまで。コンサートはうちあげまで終了までがコンサートなのでした。

演奏について
良かった点
  • 全体として調和のとれた響きに聞こえた。
  • なんといっても事故が多発したのに止まらず最後までいけたこと。たとえばれてても!間違えない練習も必要だけど止まらない練習も有効だと思います。

悪かった点
  • 曲を始める合図がやや不明確だった。(要練習)
  • お互いの音がよく聞こえなかった。(場所のせいだけではなくて、音の立ち上がりの演奏方法の工夫も必要ではないかと思う)
  • リハにいたるまで曲の解釈について相互理解をしていなかった(曲もあった)ところ。練習中に発言したほうがいいよねと思いました。

御本尊